殺処分を減らすためにできること

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このコラムを読んでいるあなたは猫が好きな方に違いないでしょう。私たちの生活に寄り添い、癒しを与えてくれる猫ですが、悲しいことにこうしている今も殺処分される猫が多く存在しているのはご存じですか?

そんな不幸な猫を助けるために何かしたい、と思っても今の自分に何ができるのか、そしてなかなか踏み出せない方が多くいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで今回は「殺処分を減らす」ために私たちができること・日常生活で実践しやすい猫への社会貢献をまとめてみました。多くの人が小さなことから行動に起こすことで、近い将来、殺処分のない社会を目指しましょう

目次

殺処分の現状

殺処分」というワードは聞いたことがある方が増えてきたかもしれません。では実際に「殺処分」はどのように行われているかご存じでしょうか?中には安楽死させられると思っている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし今現在行われている方法は「二酸化炭素で犬猫を窒息死させる」殺処分方法です。

収容期限の過ぎた犬や猫たちは一つの部屋に集められ、二酸化炭素が充満する部屋で息苦しさの中息絶えるのです。

しかし保健所にたどり着いた犬猫が必ず殺処分になるわけではありません。そんな悲しい殺処分を免れる方法として「本当の飼い主に返還される」「新しい飼い主に譲渡される」の2つの方法があります。

犬猫の保健所収容・処分の状況

令和2年4月1日~令和3年3月31日(2020年4月1日~2021年3月31日)の環境省の統計資料では以下の結果となっています。

保健所に持ち込まれた数(収容数)27635匹

うち飼い主に返還された数 9463匹

新しい里親に引き取られた数 14736匹

保健所に持ち込まれた数(収容数)44793匹

うち飼い主に返還された数 255匹

新しい里親に引き取られた数 25,130匹

以上の表を見てわかる通り保健所に持ち込まれる犬猫の数よりも「飼い主のもとに返還される数」「新しい里親に譲渡される数」が大きくなることで殺処分ゼロを目指すことができます。さらに詳しく見ていきましょう。

飼い主への返還

あまりイメージがないかもしれませんが保健所に持ち込まれるペットの中には脱走などにより迷子になっているペット、放し飼いのため野良と勘違いされ持ち込まれてしまうペットも一定数存在します。その数を上記の表で表しているのが「飼い主に返還された数」です。

保健所に相談する前に首輪がついていないか、また周辺の方に聞き込みをし買われていないかを確認することが重要です。また「迷子ポスター」を見かけた際には積極的にその情報を地域に拡散することで飼い主とペットがまた再会できる可能性が上がります。

里親になる選択肢

返還されるペット以外の犬猫が殺処分から免れるには「里親」が必要となります。もちろん、保健所からではなく保護ボランティア団体から引き取り里親になることでさらに保護できる犬猫の数を増やすことができますので保健所・地域のボランティア団体どちらも調べてみて検討するのが好ましいでしょう。

保健所の譲渡条件は地域によって異なります。猫の初期治療の状態(ワクチン接種の有無やノミダニの処置等)や健康状態もHPに記載されていますので気になる子がいたらぜひ直接足を運んでみましょう。

※コロナウイルス感染予防により予約制になっている施設もあります。

里親になる前に

「いのち」を迎える前に自分が里親として「終生飼育」ができるのか今一度確認してみましょう。

  1. 動物は物ではありません。長生きします。寿命を迎えるまで愛情をもって飼うことができますか?
  2. 食餌、散歩、掃除など、毎日の世話をする時間がありますか?
  3. 毎日のごはん、毎日のお世話、病気の治療などにかかるお金を払えますか?
  4. 家族全員が動物を飼うことに賛成していますか?動物アレルギーをもっている方はいませんか?
  5. 動物と楽しく暮らすためには「しつけ」も必要です。根気よく「しつけ」をする時間がありますか?
  6. 近所に迷惑をかけないよう飼育できますか?
  7. 動物を飼育する上では、法律等で様々な決まりごとがあります。それら決まりごとを守ることができますか?

保健所の譲渡条件(例)

地域によって条件は異なりますが、よく条件として挙げられている項目をまとめてみました。

動物を適正に飼育し、また終生飼育ができること。

動物を飼うことをについて、家族全員が同意していること。

他人に迷惑をかけず、周辺の生活環境を損なうことがないよう飼育できること。

繁殖制限の措置(不妊去勢手術)を実施できること。

【犬の場合】犬の登録(生涯1回)及び狂犬病予防注射(毎年1回)ができること。

【猫の場合】完全室内飼いができること。

繁殖を防ぐ

上記では「飼い主に返還される数」「新しい里親に引き取られた数」を増やすための方法を提案しましたが、保健所に収容される数を減らすことも重要です。

その方法の一つとして「繁殖を防ぐ」ことが挙げられます。殺処分される猫のうち7割は子猫が占めており「生まれてきても殺処分されてしまう」悲しい現状となっています。

引き取った猫の避妊去勢手術はもちろん、できるならば野良猫の避妊去勢も重要になってきます。

非常に高い猫の繁殖力

猫はとても繁殖力が高く、妊娠期間は63日前後で、1回の出産で3~8匹産みます。そして約2ヶ月後に子猫が離乳すると次の妊娠が可能になります。生まれた子猫も生後6ヶ月前後で繁殖可能年齢に達するので、繁殖サイクルが非常に速いことが特徴です。
また、猫は交尾によって排卵、受精が起こるので、タイミングがあえば2頭のオス猫の子どもを同時に妊娠することがあるなど、妊娠率・出産数の高い動物です。

TNR活動への理解

野良猫の避妊去勢手術を行い元の場所に戻し、地域で猫をも守る活動を実施しているのが「TNR団体」です。

どうぶつ基金」にて避妊去勢を済ませた猫は耳カットが施され「さくら猫」と呼ばれます。こちらについても以前のコラムで紹介していますので是非ご覧ください!

ボランティア活動に参加する

保健所や動物愛護センターでは毎年何万頭もの動物、特に犬猫を保護していますが、保護するには場所も人手も足りません。そのため、一定期間が過ぎると殺処分されます。
つまり人の勝手で捨てられた命は、人の都合によって奪われてしまうのです。その悲しい連鎖を防ぐために各地域で活動している様々なボランティア団体が存在します。今は里親になれる状態ではなくても活動に参加することで殺処分に貢献することができますので種類ごとに紹介していきます。

譲渡ボランティア

譲渡ボランティアは新しい飼い主を探すために募集されるボランティアです。
一般の人から動物愛護センターが行う譲渡事業の協力者を募る場合と、地域で活動しているボランティア団体が募集する場合があります。
愛護センターの募集は登録基準には団体だけでなく個人での参加も募集されています。どちらの形態でも動物愛護団体などに所属していなくても参加できるのが特徴です。

活動内容としては、保護している犬または猫を預かり、必要なケアを行いつつ飼養しながら、適正がある新しい飼い主を探すことです。
また新しい飼い主が見つかった場合は、適切な手続きを踏んで譲渡し、飼い主に助言などを行います。

ミルクボランティア

ミルクボランティアは譲渡ボランティアとは異なり、一時預かりを行うボランティアです。
預かる対象は子犬や子猫であり、哺乳や人慣れが必要な時期の世話を行います。

保健所や動物愛護センター、保護ボランティア団体で保護される動物には、そのような哺乳が必要な約1週齢から1ヶ月齢の犬猫もいます。概ね2ヶ月齢に達し、固形フードが食べられるようになるまでの期間の世話を行うことが活動内容です。

譲渡ボランティアと異なり、ただ預かって普通の世話をするだけでなく、哺乳から排泄の補助、成長の記録、犬猫が人に慣れるように世話をします。
子犬や子猫の世話をするので、成人しており、ペットの飼養が可能な住宅に住んでいるだけでなく、終日犬猫の世話が可能であることも要件に含まれていることが多いです。

一時預かり

一時預かりは、ボランティア団体の保護数を超えた場合に募集されることが多いボランティア要因です。多くのボランティア団体は自宅の一部で犬猫を保護しているため繁殖期には保護できるスペースが足りなくなってしまう問題に直面します。

新しい里親が見つかるまでの期間自宅で人なれの訓練をしつつ健康状態を管理する活動内容です。

また災害時には避難中にペットの飼養が難しい飼い主から一時的に預かりの依頼があった場合にも発生する場合があります。

これは飼い主個人の依頼だけでなく、避難所や現地動物救護施設で受け入れが困難な場合にも発生し、自宅などで一時的に飼養協力することが主な活動内容です。

シェルターでの飼育管理

ボランティア団体の中には保護した猫を補完するための「シェルター」を構えている団体も存在します。

シェルターの運営管理、飼養管理、健康管理などの猫のお世話全般、譲渡までのやり取りを担当します。業務内容はシェルターによって異なりますので核シェルターにお問い合わせください。

寄付する

里親、ボランティア活動への参加が難しい方でも「寄付」という形で殺処分を減らす活動に貢献することができます。寄付参加できるイベントや団体について紹介していきます。

ねこねこ百貨店(主催:Needoum)

普段のお買い物が猫への寄付になるイベント!

寄付と聞くと一見ハードルが高く感じてしまう方もいらっしゃると思います。こちらのイベントは全国から集まった猫好きな作家さんの商品を購入することで保護猫活動に寄付される仕組みの今までにない新しい仕組みのイベントです。

入場は無料!もちろん購入した商品も手元に残る上に、普段の買い物が寄付につながるのはうれしいですよね。

こちらのイベントでは「ねこねこ銀行券」という商品券を使ってお買い物をしますのでいつもとちょっと違う雰囲気でお買い物を楽しめます。また出店作家さんも毎回異なりますので新しい出会いがあること間違いなしです!

当日イベントに来れない方向けに生中継でお買い物ができるオンライン販売もあるので全国どこからでも参加できるのが特徴です。

ふるさと納税で貢献

利用している方も多い「ふるさと納税」でも猫助けができるのをご存じですか?ふるさと納税に関しては過去のコラムでまとめていますので是非ご覧ください!

日本どうぶつ基金に寄付

TNRの説明をした際に挙げた「日本どうぶつ基金」。飼い主のいない猫、すべてに不妊手術を施してこれ以上増えないようにする「さくらねこTNR」などの長期プログラムには「毎月」の継続した支援が欠かせません。

こちらは振込・クレジットカード等幅広い方法での寄付が可能です。

オス猫だと2000円/1匹で去勢手術、メス猫は4000円 /1匹で避妊手術を実施することが可能となっています。

ボランティア団体に寄付

お近くのボランティア団体を調べたい際にはぜひ「寄付」という形で支援しましょう!当社の委託先である「NPO法人キャットガーディアン」様も寄付を募集しています。

売り上げの一部が寄付になる

当社の商品はすべて売り上げの一部が寄付されます!

そのほかお買い物が寄付につながるサイト

最後に

近年、多くの人の協力により殺処分数が減っており、また里親になる、ボランティアとした参加する以外にも様々な形で猫を保護・治療している企業や団体を支援することが可能になりました。これを機に「殺処分ゼロの未来」に近づくためにあなたも身近な支援から始めてみませんか?

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この記事を書いた人

4歳から絵画を習い始める。2016年にアパレルブランドAche3.9を立ち上げ、デザイナーとして全国各地で単独POPUPを開催。通算主催イベントの開催回数は30回を超え、ビバラロックフェスへなどの外部出店経歴やMV等の着用経歴も有り。
2021年から渋谷にて月に一度の店舗を構え、同年9月にNeedoum Inc.を立ち上げ代表取締役に着任。

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