今回は前回のコラムの続きとなります!今回は「野良猫」と判断し、実際に保護する際の流れや注意点に関してお伝えします。まだ前回のコラムを読んでいない方はぜひご覧ください!

野良猫を保護するために必要なもの
さあ、野良猫を保護しよう
あなたが見かけた猫ちゃんが「野良猫」だとわかり保護する場所も確保できたら実際に保護してみましょう!「保護」と言いますが、まずは「捕獲」をしなければなりません。ただ、野生で暮らしている野良猫は、どうしても「警戒心」が強いです。簡単に捕獲できるものではないのですなのでもし餌やりさんや近所になついている人がいれば協力してもらうのも効果的です。時間をかけても大丈夫そうな場合は猫をなつかせるのも一つの手でしょう。
生まれた時からの野良猫のケースでは、人間に慣れていないので簡単に懐きません。無理やり近づかず、食べものなどを見せるなどし、野良猫の方から近づいてくれるのを待つのが効果的です。まずは、野良猫が通りそうな場所や普段過ごしているだろう場所に食べものを置いておきます。数日間繰り返すことで、野良猫が「餌のある場所」と分かってくれます。
状況によっては猫の近くに食べものをそっと投げ与えてもいいですね。「食べものをくれる人」と認識してくれるので、次第に少しずつ警戒心を解いてくれるものです。野良猫の心を掴むコツは、焦らずに少しずつ近づいていくことです。
では実際に捕獲の際の注意点をお伝えします。
捕獲の際の注意点
大前提に野良猫が警戒心をあらわにしているときに、無理やり近づいてもさらに警戒して逃げてしまいます。場合によってはナワバリを変えて移動してしまう恐れも。「人間=危険な生き物」と考えられないように距離を取って観察しましょう。
もう一つは「猫の目を見つめすぎない」ということもポイントです。一般的に猫の世界では「見つめて目を離さない=ケンカの合図」と言われています。じっと見たまま視線をそらさないでいると、野良猫にとっての「敵」「けんか相手」と見なされてしまいさらに警戒されて今います。
また、人間に対して嫌悪感を持つ理由のひとつに「ニオイ」があります。特に、柑橘系のニオイ、香りのきつい香水、タバコの煙のニオイなどは、猫がかなり嫌がるニオイと言います。近づいてさえくれないでしょう。母猫だとなおさら警戒心が強いうえに子猫に匂いがつくのを嫌がる母猫も多いです。
捕獲の際は以上の三点を踏まえて挑みましょう。次に野良猫を保護する際に使用する道具を紹介いたします。
捕獲に必要なもの
実際に捕獲する際の服装。準備押すべきものをご紹介します。中には地域の保健所やボランティア団体、動物病院が貸し出してくれるケースもありますので調べてみてくださいね。
捕獲の際の服装
野生で暮らしている野良猫は、実はかなりの確率で寄生虫に感染しているといいます。そのため、人間の皮膚についてしまうと感染症のリスクが高まります。捕獲時に猫が興奮して人間の皮膚を引っ掻いてくることもあります。
それを防ぐには、皮膚を見せないようなスタイルでの捕獲が大事です。
・手袋(爪が通らない厚手もの)
・長靴
・長そでの洋服
一般的な捕獲方法
捕獲機で捕獲する場合
捕獲器は猫を捕まえやすくする仕掛けがあるので捕まえやすい方法と言えます。猫の捕獲器は「踏み板式」と「吊り下げ式」の2タイプがあります。 どちらも捕獲器のなかにエサを入れて誘い込み、自動的に扉が閉まって捕獲する仕組みになっています。
前述したように食べものを数日間同じ場所で与えていると、野良猫が食べものを目当てに来るようになります。捕獲器の周辺にもキャットフードなどの食べものを置いておくと、捕獲器の中にも入りやすくなります。このように捕獲機を設置する場合は野良猫の縄張りに設置するのが効果的でしょう。捕獲器を設置する場所ですが、私有地である場合は、その家の住民などに事情を説明して事前に許可を得ることが必要です。また、公共の場所に設置したい場合はスペースを管理する自治体に相談するようにしましょう。
捕獲器の奥の方に、キャットフードを入れておくと、それを目当てに中に入ってきます。捕獲器には中に入ると後側にある扉が閉まる仕組みとなっているものが一般的に多く取り扱われています。
捕獲機を使用する際の注意点
野良猫を捕獲器で捕まえる行為は、保護目的(避妊・去勢手術のための一時保護を含む)の場合のみ認められていますが、保護を目的とした捕獲の場合でも捕獲器に入った猫を長時間炎天下の中で放置するなど、猫をむやみに傷つけたとみなされると、処罰の対象となる場合があります。便利な捕獲機ですが、他の人が触ってしまい怪我をしてしまう可能性があるので、捕獲器の設置の際には貼り紙で、「猫を保護するために置いてます。触らないようにお願いします。猫が入っていたら連絡をください」などと連絡先を書いておくか、なるべく目を離さないようにしましょう。近所に協力者がいる場合は見ておくようにお願いするのも手です。また保護時の気象条件によっても注意深く様子を見るようにしましょう。
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キャリーケースで捕獲する方法
捕獲器がない場合は、同じ状況をキャリーケースで作りだしてあげます。キャリーケースの入り口を開けておき、奥側にキャットフードを入れておきます。野良猫が食べもの目当てに中に入ったら、扉を閉めてしまいましょう。人なれしている子であれば洗濯ネットなどで捕獲しキャリーケースに移す方法も可能です。キャリーケースは捕獲機と違い、自動で扉が閉まるわけではないのでより一層観察が必要となります。猫に慣れていない人であればハードルが高い可能性がありますので自分がでできそうな方法を選択することが必要になってくるでしょう。
さて、この2点の捕獲方法を見ていくと、一見簡単にできそうな気もしますが、相手は野性の猫。警戒心が強ければ強いほど暴れる可能性が大きいです。前述したように捕獲する前には、何日も前から捕獲する猫の様子を見たり、情報収集はもちろん、警戒心を解くようにする工夫が必要です。保護したあとに飼いたい、里親を探したいという場合には、特に無理やりの捕獲はNG。今後の関係を修復するのが難しくなってしまいます。
また、野良猫の捕獲に一度失敗してしまうと、同じ仕掛けを準備しても警戒心が強まりその場所にさえ寄ってこなくなります。慎重に行うことが大切です。
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野良猫を捕獲したあとはどうする?
さあ、なんとか捕獲できた野良猫。
ここでは、捕獲した後の人間がとるべき行動について、お話します。
野良猫を動物病院に連れていこう
野良猫として暮らしてきた猫は、野生の中で生きていたため健康状態は悪い可能性が大きいです。毛並みはもちろん、毎日必ず餌にありつけているわけでもないためやせてしまっていたり猫同士のけんかでのけが、気温変化による猫風邪(くしゃみや鼻水、目やに)場合によって雌猫であればすでに妊娠している可能性もあります。体調的なことは、外見では分からないことも多いので、動物病院での検査が大切です。中には野良猫NGの動物病院もありますので下調べの上、動物病院で便検査、血液検査など健康状態の検査しましょう。
野良猫は前述してように厳しい環境で過ごしています。他の猫や人間にうつってしまう感染症をもっていることもまれにあります。
ケガをして血液が出ていたり、目ヤニが出ているなどの場合、知らずに触ってしまうことのないようにしましょう。検査後のワクチン接種をしてもらうことによって対策が可能です。
また外で暮らしてきた猫出来になることといえば体じゅうに「ノミ」「ダニ」が住みついているということです。ノミ駆除をしてもらわないで自宅に連れてかえることのないようにしましょう。野良猫の体に付着しているノミやダニを駆除する薬を処方してもらうようにすることも重要です。
野良猫と一緒に暮らす時の注意点を知る
野良猫は、生まれた時から人間と関わっている猫とは違います。自宅で一緒に暮らす時には覚えておきたい点もあります。
慣れるには時間が相当かかる
子猫の状態の野良猫の場合、それほど慣れるまでの時間はかからないかもしれません。しかし、大人の猫の場合、すでに性格も出来上がっていますしずっと外にいた子であればなおさら家の中という環境に慣れるのには時間がかかると思います。
保護直後はなるべく布なので目隠しをし、静かな部屋で様子を見てあげましょう。ご飯は食べれるか、トイレはできているかなどの体調の変化にも注意が必要です。
猫を迎えるのは初めての方はぜひこちらもご覧ください。

もし家族が多い家庭で保護された野良猫は「多くの人間との暮らし」に慣れるのにも相当な時間を要することでしょう。警戒心が解けずに、じっと身を潜めていることもあります。キャットフードも食べてくれないかもしれません。根気よく、距離を取りながら「人間は危険じゃない」とわかってもらえるように接してあげましょう。
ストレス発散できる環境づくりをしてあげる
広い世界で自由に行きていた野良猫にとっては、家の中の狭さが窮屈と感じられるかもしれません。家という環境に慣れてきたとしても、窓の外を眺めたり、中には何とかして外に出たがり脱走を試みるケースも珍しくありません。
また、ずっと外で過ごしていた子は当然家の中の狭い範囲で運動量が少なくなり、環境の変化からストレスが溜まって体調を崩すこともあります。それらを解消するために猫が興味を抱くようなおもちゃ、遊びながら運動になるキャットタワーなどを準備してあげましょう。高い場所にいると落ち着くこともあります。
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懐かないといって焦らない
警戒心の強い野良猫には、人間の方から距離をつめようとするのはあまりよくありません。保護した野良猫を飼い猫として暮らしたからには、早く抱っこしたい、触りたい、撫でたいと人間の欲求が多く焦ってしまいがち。しかし猫との信頼関係を築くために焦りすぎるのは禁物なのです。
まずは適度な距離感で、猫の方から距離を縮めてくれるのを待ちましょう。もし、猫の方から近寄ってくるのを待ち、少しずつ撫でたり、構ったりするようにしていくのが大事です。人と触れ合うことで「人慣れ」し、この人慣れが家猫になるためにとても重要なことになるのです。
人なれしたら里親を探そう!
人と触れ合うことができるようになったらとうとう「家猫」になるための「里親」探しの始まりです!友人にあたってみるのもいいですし、愛着がわいたらそのまま家族に…なんて人も少なくありません。もしあてもなく1から探す場合に利用できる手段を紹介いたします!
動物病院にチラシを貼る
近所の動物病院に里親募集のチラシを貼らせてもらいましょう。動物病院に来る人は動物好きな人がほとんどです。中にはチラシを写メでとって友人にあたってくれたり…など思わぬ効果を発揮することがあります。チラシには写真、特徴、動物病院で受けた治療(避妊種ずつの有無やワクチン接種の有無)連絡先などを記載するといいでしょう。
里親募集サイトを利用する
近所に動物病院がなくても大丈夫です。近年ではネットで里親募集をすることができます。中でも一定の審査や個人情報が得られ安心して里親につなぐことができるサイトをご紹介いたします。

事情によりペットを飼えなくなってしまった飼い主や、ペットを保護している保護活動者などと、ペットを飼いたい(里親になりたい)と考えている方が交流できる場所が「ペットのおうち」です。会員登録を行えば、すぐに里親募集情報の投稿、里親申し込み(里親応募)、コミュニティの利用が可能です。
最後に
実際に保護から譲渡までの流れをまとめてみましたがいかがでしたでしょうか?「思っていたよりも時間と手間、費用がかかる…」と思った方も少なくないはず。保護したい気持ちがあってもここまでの道のりを考えると腰が引けてしまうのもしょうがないと思います。しかし保護ボランティア団体はこのような手間や費用をかけて活動しています。自分で保護する自信はないけど今すぐできる支援として、そんな団体への「寄付」などを検討するのはいかがでしょうか?
また実際に保護することで自分自身が学べることも多くあります。たくさんの人の手を借りてあたらめて現状を知り今後自分が野良猫問題にどうかかわれるか考えるいいきっかけにもなるのではないでしょうか?実際に筆者は野良猫を二匹捕獲し、譲渡してことがきっかけで当社Needoumの立ち上げを決意しました。皆様にとってもこの記事が何かを変えるきっかけになればい幸いです。