猫の歴史を知ることで「飼い主」としての自覚を持とう
近年、さらに人気を増している「猫」という存在
コロナ渦で生活様式の変わってきた近年、猫がペットとしてさらに人気になっているのを皆さんはご存じでしょうか?「一般社団法人ペットフード協会」の調査では2017年には猫が953万匹に対し、犬は892万匹で1994年の調査開始以来、初めて猫が犬を上回ったと発表しました。昔は犬は番犬にもなり飼い主に忠実だったことから猫よりも人気があり、家の前には犬小屋が置いてあって、犬はその中で紐に繋がれて飼われていたというイメージですが、一方その頃の猫は、自由に外へ出て屋根や木の上に登っていたりと、まさしく自由奔放に生活していました。
猫好きな人に「猫の何が好きなの?」と聞くと「自由奔放だから」や「ツンデレなところ」という答えが多く聞かれるのですが、犬好きな人に理由を聞くと、「飼い主の言う事を良く聞くから」「すぐに寄って来て甘えてくるから」という答えが多いようです。自由奔放で散歩などもいらない猫という存在がリモートワーク・在宅勤務に切り替わった私たちの癒しとして需要が増したのも頷けます。
今では猫のその奔放さがキャラクターや漫画、YouTubeなどで人気となり、SNSなどに投稿されるペットの写真は、犬を抜いてダントツの人気となりました。近年の猫人気の伸びは著しいものがあります。
猫の人気は自由奔放な行動力や、そんな中でチラリと見せる甘えた仕草、何を考えているのか分からない、掴みどころの無い性格などが猫好きの心を鷲掴みにし、犬好きの人をも虜にしているようです。
人と猫のかかわりと変化した猫の飼育環境
猫を飼う人が増えてきたことと並行して猫の飼育環境も昔と現代では大きく変化し、今ではほとんどの企業や団体、動物病院が「完全室内飼育」「避妊去勢手術」を推奨しているのをご存じでしょうか?日本では2005年から「動物愛護管理法」で「猫は屋内飼養に努めること」と明記されるようになり、(地域で保護している「地域猫」を除いては)室内飼いが圧倒的に多くなっています。年配の方の中には、「猫は外を自由に歩き回りたい動物」「閉じ込めるのはかわいそう」という見方をする人もいますが、動物行動学の専門家の意見は正反対です。
終飼飼養が定められている今、時には「飼わない決断」も重要となります。今のあなたの生活環境を踏まえて、飼い主として猫と暮らす意思がある方はぜひ猫を迎える前に猫とのかかわりの歴史を知ったうえで猫と暮らす準備をしましょう!
猫とのかかわりの歴史
猫が日本の歴史に登場するのは奈良時代とされます。この時代、中国からさまざまな経典が輸入されましたが鼠が紙を食い荒らしてしまうため対策として猫も一緒に連れてこられたそう。慶長7(1602)年に京都所司代から「猫放し飼い令」で猫の綱を解いて放し飼いにしなさい、という趣旨の法を発布されました。そのころ京の町では京都の人口が増加して消費生活が発展した結果、ネズミの害が深刻になり、その対策としてこの法令が出されたのです。この法令以降、猫は基本的に「放し飼い」となります。
中には数年前までは外で自由に歩き回っている飼い猫を見かけた方も多いのではないでしょうか?「放し飼い」が当たり前だった時代を生きてきた高齢者が多い地域ではいまだに放し飼いをしている方も多いようです。ではなぜ「猫の飼育環境」は変化したのでしょうか。
社会と共存するために
ペットとして猫の需要が増した一方で保健所には猫に関する苦情や相談も毎日のように寄せられています。たとえば「糞尿被害」「発情した猫の鳴き声」「繁殖」「餌やりトラブル」など。世の中には猫の苦手な方やアレルギーを持っている方もおり、中にはご近所トラブルに発展することも珍しくありません。
そこで社会と猫が共存していくために飼い主として必要な責務をご紹介します。猫の特性・習性を知り、適正に飼育することにより、猫と人がよりよく共生できる社会になるように心がけましょう。
動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年10月1日法律第105号)は、動物の虐待等の防止について定めた法律で、略称は動物愛護管理法、一般では動物愛護法とする場合があり、こちらの第七条では以下の通りに定められています。
動物の愛護及び管理に関する法律
(1)健康と安全の保持と迷惑防止
命ある動物への責任を十分に自覚し、種類や修正に応じて正しく買うこと、
生活環境を悪くしないように、また人に迷惑をかけないように飼うこと。
(2)病気の知識と予防
動物の病気や感染症等の正しい知識を持ち、その予防に必要な注意を払うこと。
(3)逸走防止
動物が逃げ出したり迷子になったりしないように、必要な対策をとること。
(4)終生飼養
動物がその命を終えるまで適切に飼うこと。
(5)繁殖制限
飼っている動物が増えすぎて管理ができなくなることのないように不妊・去勢手術をすること。
(6)身元表示(所有表示)
自分の飼っている動物だと分かるように、首輪や迷子札、マイクロチップ等をつけること
さあ、猫とのくらしをはじめよう!
ここまでコラムを読んでくださったあなたは猫とよりよく暮らすための知識がしっかりついたうえで責任をもって猫と暮らすことができる方だと思います。ここからは実際に猫と暮らすための準備として必要なもの、実際に著者が準備して便利だったおすすめの用品を紹介します!
猫との生活を始めるうえでスタンダードに必要なものは以下のものです。
【トイレ用品】
トイレ容器とトイレ砂を用意します。トイレ容器には屋根付きのものもあります。トイレは成長後の体の大きさに合わせて選ぶこと、砂が飛び散りにくいデザインのもの、掃除が手軽にできるものを選ぶことが賢い選択方法です。
猫砂もいろいろなタイプのものがありますが、掃除が手軽で、排泄物のニオイをしっかり吸収するもの、固まりやすいものを選ぶことで掃除の手間が省けて清潔に保つことができます。トイレが汚れていると尿路感染やトイレをしなくなる原因にもなります。猫はきれい好きですので清潔に保てそうなトイレを作りましょう。
著者が実際に使っているトイレとトイレの砂を紹介します!
![]() | 価格:2,981円 |

![]() | 猫砂 ライオン ペットキレイニオイをとる砂(5L*4コセット)【d2rec】【dalc_catoilet】【ニオイをとる砂】 価格:2,710円 |


【ハウスや寝場所】
ケージやキャリーバッグなど、猫専用の居場所を用意しましょう。子猫の際はケージ飼育からスタートするのがスタンダードですし、しつけや留守番、来客のときなどに便利です。ベッドは段ボールやカゴに毛布を敷いて作ってもOK。普段からキャリーバッグに入ってくつろぐ習慣をつけておくと、動物病院に連れて行ったり、旅行に行ったりするときに、抵抗なく中に入ってくれます。
![]() | 価格:13,800円 |

![]() | 価格:8,999円 |

![]() | リッチェル キャンピングキャリー ファイン ダブルドア Mサイズ 小型犬・猫用 持ち運び バスケット スモークドア ワイドハンドル【送料無料】 価格:5,940円 |


【フードと食器】
フードは成長段階(ライフステージ)ごとにいろいろなタイプがあります。食器は食事用と水入れ用に2つ必要です。軽すぎるとひっくり返ってしまうので、安定感のあるステンレスや陶器のものがおすすめ。浅すぎてもフードが散らばるし、深すぎても食べづらいので、適度な深さが必要です。
![]() | 価格:2,080円 |

![]() | 価格:3,980円 |

【爪とぎ器】
爪とぎは猫の大切な習性。猫は身近な物の中からとぎ心地のよいものを選びます。布製、段ボール製、縄製など、さまざまなタイプの爪とぎがあるので、いろいろ試してみましょう。
![]() | 価格:2,280円 |

![]() | 価格:4,980円 |

ブラシや爪切りなどのお手入れグッズも用意します。長毛の猫にはピンブラシやスリッカー、短毛ならばコーム(クシ)を用意。ブラシにも好みがあり、ゴム製ブラシが好きな猫もいます。
![]() | 価格:1,780円 |

![]() | ファーミネーター Furminator ペット専用ブラシ Sサイズ 小型猫 短毛種 長毛種 Cats FUR UNDERCOAT お手入れ 抜け毛除去 ブラシ ペットケア 価格:3,599円 |

【オモチャ】
子猫はとっても遊び好き。遊びの中からいろいろなことを学び、成長していきます。咬んだり、追いかけたり、子猫の本能的な欲求を満たす安全なオモチャを選びましょう。
![]() | 価格:1,780円 |

![]() | 猫壱 キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン2 おもちゃ 猫 ネコ ねこ 猫じゃらし 運動不足 ストレス解消 夢中 電動 多機能 かわいい ペット用品 猫グッズ 猫用 価格:2,780円 |

![]() | ペティオ けりぐるみ エビ 猫 猫用おもちゃ ぬいぐるみ 関東当日便 価格:530円 |

【首輪】
必ずしも必要ではありませんが、お好みで。最近ではICチップの導入が主流となり首輪は必要ないとおっしゃっている獣医師や団体も増えてきました。もし首輪をつけるのであれば幅があまり狭くなくて軽めのものを選びます。万が一に備えて、力がかかると外れるもの、首輪に迷子札をつけておくと安心です。
![]() | 【日本製】猫 首輪 迷子札 安全 セーフティバックル 名前 軽い 国産 迷子札付き猫用首輪 無地つむぎ からくさ 青海波 おしゃれ かわいい 名入れ【和柄】 価格:2,420円 |

そのほか猫と暮らすうえで「猫のための家具」も近年増えてきました。過去のコラムで紹介していますので是非合わせて読んでみてくださいね。

さて、ここまで読んだことで家に猫を迎える際に必要なグッズが大体わかったことと思います。ペットを家族として大切に使用している方が大半ですが、中には飼い猫だったにもかかわらず人間の都合で保健所に持ち込まれる猫の数が近年増えてしまっているのも一つの問題として挙げられます。
首輪の説明で記載したように近年ではICチップの装着が義務化され、私たちとペットを取り巻く法律や環境もどんどん変化しています。次回はこの「ICチップ」に関して取り上げようと思っていますので、お楽しみに!